この記事の要点
仮想通貨(暗号資産)トレジャリー追跡サイト「Bitcoin Treasuries」のデータによると、上場企業や機関投資家によるビットコイン(BTC)の保有量が2026年3月時点で過去最高水準に達したことが明らかになりました。
機関による買い入れペースは、現在の1日あたりの新規採掘供給量の約2.8倍に達しており、供給を大きく上回る需要が市場の需給構造に影響を与え始めています。
同データによれば、公開企業194社が合計116万枚以上のビットコインをバランスシートに保有しており、その総額は約829億9,000万ドル(約13兆2,000億円)に上ります。
保有量首位の米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は73万8,731 BTCを保有し、ビットコイン総供給量の約3.5%を単独で占めました。
2位のMARAホールディングスの5万3,822 BTC、3位のトゥエンティワン・キャピタルの4万3,514 BTCと合わせ、上位3社だけで76万 BTC以上を保有する構図となっています。
こうした機関買いの加速を背景に、著名開発者アダム・バック氏は「企業によるビットコイントレジャリー購入は、近い将来1日の採掘量の10倍に達する可能性がある」と述べており、機関需要のさらなる拡大に言及しています。
仮想通貨市場、企業トレジャリーが牽引
2025年の仮想通貨市場、企業トレジャリーによる500億ドル取得が牽引=CoinGecko
ストラテジーは2020年にビットコインを財務準備資産として採用して以来、継続的に買い増しを続けており、2026年3月10日時点で保有量が総供給量の3.5%に到達したことを発表しました。
同社は3月9日にも1万7,994 BTCの大規模購入を実施しており、このうち30%はSTRC(同社が発行するデジタル信用商品)を通じた資金調達が原資となっていると明らかにしています。
STRCへの機関投資家による保有額はすでに21億ドル(約3,340億円)に達しており、同商品が機関資金の調達手段として定着しつつあることが明らかになっています。
こうした大企業による積極的な取得と並行して、Strive(スプライブ)とSemler Scientific(セムラー・サイエンティフィック)による上場ビットコイントレジャリー企業の買収案件も成立しました。
ストライブのビットコイン戦略担当副社長ジョー・バーネット氏は「この案件が上場ビットコイントレジャリー企業を対象とした初の買収であり、今後の業界再編のひな型になる」と述べています。
Bitcoin Treasuriesのデータによれば、現在追跡対象となっている上場企業は194社に上り、保有資産の95.1%をビットコインが占めています。
イーサリアム(ETH)は4.2%、ソラナ(SOL)は0.42%と続いており、機関のトレジャリー戦略においてビットコインが圧倒的な主軸となっているとしています。
2024年4月に実施された半減期によって1日の新規供給量は約450 BTCに半減しており、採掘量の2.8倍という買い入れペースで機関が吸収し続けるなかで、ビットコインの需給バランスは構造的に変化しています。
供給が絞られるなかで機関需要が膨らむ構図は、株式市場を通じた間接的なビットコインエクスポージャーの拡大も促しています。
その一例として、GameStop(ゲームストップ)やトランプメディア&テクノロジーなど、従来のビットコイン企業とは異なる業種の上場企業も保有リストに名を連ねており、トレジャリー戦略の裾野は着実に広がりつつあります。
ビットコインETFが「159兆円超」吸収
ビットコインETFが「159兆円超」吸収、価格形成に変化|Bitwiseレポート
こうした流れは企業単体にとどまらず、国家レベルにも波及しています。
台湾の立法委員が2026年をビットコイン準備資産化の転換点と位置づける発言を行う一方、米国では現物ビットコインETFへの資金流入が引き続き拡大しており、機関需要の受け皿が多様化しつつあります。
ETFと企業トレジャリーの双方が吸収役として機能することで、供給側との乖離が一段と広がる構図が続いています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.06 円)
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Source:Bitcoin Treasuries
サムネイル:AIによる生成画像


