米国ワシントンは金曜、最高裁がトランプ米大統領の大規模な世界的関税を無効とする判決を下したことで、政治的な非難合戦が勃発した。
この判決は鋭い党派対立を引き起こし、貿易や大統領権限、米国経済の将来に対する意見の分断が拡大していることが浮き彫りとなった。
関税を巡り議員が激突 貿易・大統領権限・15兆ドルの関税を巡る党派対立激化
最高裁は6対3で、2025年にトランプ米大統領が議会の明確な承認なしに広範な「相互」関税を発動した行為は、国際緊急経済権限法(IEEPA)の権限を超えたものであると判断した。
この判決によりほとんどの世界的関税が無効となり、トランプ米大統領が2期目の経済政策の柱として掲げていた政策に大きな打撃となった。
株式市場や暗号資産市場が反応したのと同様に、政治的な反応も即座かつ激烈なものとなった。
上院民主党トップのチャック・シューマー氏は、この判決を消費者の勝利と評した。
同氏は続けてこう述べた。
同様に、エリザベス・ウォーレン上院議員も、家計や中小企業への経済的負担を強調した。
さらにウォーレン氏は、今回の判決による返金が「本来あるべきはずの、違法に搾取された何百万もの米国人や中小企業の手に渡るべきだ」と主張した。
下院予算委員会筆頭理事のブレンダン・ボイル氏も共感を示した。
一方、共和党の反応は憲法主義派と経済ナショナリスト派の分断を浮き彫りにした。
ランド・ポール上院議員は今回の判断について、大統領権限の逸脱を抑止するものだと評価した。
しかし、バーニー・モレノ上院議員はこの判断を強く非難した。
モレノ氏は、「今回の判決ではグローバリストが勝つ」と警告し、共和党には調整法案を通じて関税措置を法制化するよう求めた。
トランプ米大統領自身は、州知事とのホワイトハウス朝食会で一言のみ述べたという。
また米大統領は、政権として「バックアッププラン」があるとも示唆し、セクション301やセクション232など他の法的権限を用いた関税再導入を検討する可能性を示した。
今回の決定は、目先の政治的駆け引きを超え、保守派多数の最高裁による大統領の通商権限への異例の批判となった。
この判決は、課税や貿易規制における議会の憲法上の管理権を再確認し、IEEPAによる非常経済権限の範囲を制限した。
同時に、数千億ドル規模に上る関税返金の実現可能性や、議会が新たな立法でトランプ氏の通商政策の一部を復活させるかについて現実的な疑問も浮上している。
関税を巡る法廷闘争は、大統領権限、経済ナショナリズム、そして米国の通商政策の最終的な決定権をめぐる、より広範な対立へと発展した。
この戦いは終わっていない。

