Nakamoto Inc.(ナスダック:NAKA)は、2026年6月19日に既存のヘルスケアクリニック事業を閉鎖した。この決定は、同社がビットコイン(BTC)専業運営企業へ転換を進める中で、重要なステップとなる。
清算に伴う残りの管理業務は、2026年第3四半期末までに完了の見込み。これにより、Nakamotoの旧ヘルスケア事業は正式に終了する。
ヘルスケア事業がなくなった現在、Nakamotoは3つの独自事業ラインを展開している。メディア・情報サービス、資産運用・金融サービス、コンサルティング・アドバイザリーサービスが主軸。いずれもBTCの財務リターンに依存せず、継続的な収益獲得を目指す構造にした。この転換で、Nakamotoは旧来のヘルスケア関連負債のない、よりシンプルな資本構造となった。
資産運用部門のUTXOマネジメントは、公開・非公開のビットコイン市場に注力している。また、アドバイザリー事業は、企業や機関投資家向けにビットコイン戦略や市場インサイトを提供していると、同社の発表で明らかにした。
今回の事業転換は、NakamotoのBTC財務にとっても困難な局面での判断となった。2026年3月、同社は284BTCを売却し、2025年分で1億6620万ドルの時価評価損(未実現減損)を計上。さらに6月には、ほぼ600BTCとビットコインデリバティブを売却し、Krakenへの債務返済に充当。残債の償還期限は2027年に延長した。この売却後、Nakamotoのバランスシートには約4467BTCが記載された。
こうした状況でも、ビットコインを軸とする上場企業の経営環境は成熟してきた。ナスダック上場企業がBTCをコア戦略資産とするなか、ストラテジーの株式発行型モデルが、従来の自社株買いに代わり一般化しつつある。
一方、ビットコインの量子セキュリティリスクを巡る議論が、理論段階から政策レベルへと移行。多額のBTCを保有する企業にとっては、長期的な変動要素が新たに加わった。
Nakamotoは2026年後半を、非ビットコイン事業を一切持たない体制で迎える。NAKAの投資判断は、3分野がどれだけ継続収益を創出し、1株あたりのビットコインを拡大できるかに依拠する。ベイリーCEOは、長期的な株主価値の最大指標として「1株あたりビットコイン」の成長に注力する姿勢を示している。