XRP価格は複数のブレイクアウトシグナルを同時に示しているが、17%上昇の目標達成には、損益分岐点となる15億トークンの壁が立ちはだかる。カップ・アンド・ハンドル型のパターンが直近で上方にブレイクし、標準的な上昇傾向へのダイバージェンスがトレンド転換を引き起こした。
一方、上昇傾向を示すゴールデンクロス形成の可能性もある。テクニカル面では強気な見方だが、オンチェーンデータは異なるシナリオを示している。
XRPは3月から5月初旬にかけて、カップ・アンド・ハンドルのパターン内で推移した。カップ部分は3月23日から4月17日に形成され、ハンドル部分は4月17日から5月2日にかけて調整となった。その後、ハンドルの下降チャネルを上抜け、5月2日にブレイクアウトが完了した。
初動のブレイクアウトには明確な要因があった。
具体的には、モメンタム系指標のRSI(相対力指数)が日足で好材料を捉えた。2月7日から4月29日にかけて、XRP価格が安値を切り下げる一方で、RSIは安値を切り上げる形となった。このパターンは典型的な上昇ダイバージェンスであり、下降トレンドの終盤でトレンド転換を示すシグナルとなる。4月29日にダイバージェンスシグナルが現れ、その3営業日後である5月2日にカップ・アンド・ハンドルのブレイクアウトが発生した。4月29日時点でXRP価格はすでに6%超上昇している。
このダイバージェンスに加え、さらなるテクニカルな支援材料も存在する。現在、XRP価格は20日指数移動平均線(EMA)が1.400ドル、50日EMAが1.408ドルと、いずれも上回って推移している。20日EMAは直近の値動きを重視する短期のトレンド把握指標、50日EMAは中期トレンドの目安だ。現在この2本の移動平均線が急接近しており、もし20日EMAが50日を上抜ける「ゴールデンクロス」となれば、短期トレンド転換の裏付けとなる。
参考までに、直近でXRP価格が20日EMAを上抜けたのは4月13日であり、この時の上昇は11.43%となり50日EMAをも突破した。現状もこれと類似の展開となっており、ブレイクアウトがすでに確認され、EMAのクロスも間近に迫る。
テクニカル分析ではブレイクアウトの確度が強い。ただしオンチェーンデータは異なる示唆をしている。
ブレイクアウトの最大の試練は、2つのオンチェーンシグナルに集約される。
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まず、取引所へのフローが変化している。XRPの取引所ネットポジション変化(Exchange Net Position Change)は前日から上昇基調に転じた。この指標は、取引所ウォレットへのXRPの純流入出を示すもので、プラスに転じると大口側の売却意欲の高まりを反映する。実際、5月4日時点でおよそ3700万XRPだった数値は、5月5日には約4600万XRPにまで増加。加速する流入は価格上昇局面での売り圧力を示唆する。
もうひとつは、「コスト・ベース分布ヒートマップ」だ。この分布の集中度合いから売り圧力の所在が分かる。Glassnodeのデータによれば、1.41~1.42ドルゾーンに15億7000万XRPが蓄積された。現在のXRP価格が1.43ドルのため、この厚い蓄積帯は実勢価格の直下に位置する。ボリュームがこのゾーンで蓄積された投資家はいわゆる損益分岐点(ほぼトントン)となっていて、市場が上放れする際に往々にして最大の売り供給源となることが歴史的にも知られる。
さらにその上には、1.47~1.48ドルの価格帯に4億1400万XRPの蓄積がある。もしXRP価格が下側のクラスタを大きな売り出しなしに上抜ければ、次はこの上側のクラスタが次なる試練になる。ゆえに、両方のクラスターを吸収してはじめて、ブレイクアウトが明確となる。
この構図はきわめて二極的だ。1.41~1.42ドルの保有者が損益分岐点で売却に動けば、ハンドルのブレイクアウト効果は減衰する。一方で、保有継続で耐え切れば、次なる主要レジスタンスへの進路が開ける。
XRP(XRP)は1.430ドルで推移している。直近のレジスタンス帯は1.435ドルに位置し、0.382フィボナッチ水準に相当。このゾーンがブレイクアウトの最初のハードルとなる。
まず、1.435ドルを終値で上回る場合、ブレイクアウトに十分な強さがあると確認できる。これにより、コスト基準の下限を突破し、1.462ドル(0.5フィボナッチ)および1.490ドル(0.618フィボナッチ)への道が開かれる。その後、1.490ドルを明確に上抜けると、1.47ドル〜1.48ドルに位置する2つ目のコスト基準帯をクリアし、1.529ドル(0.786フィボナッチ)および浮動的なネックラインである1.551ドルへの上昇が見込まれる。
ネックラインを上回り、1.551ドルを終値で突破した場合、カップ・アンド・ハンドルの計測値ターゲットが発動。パターンによれば上昇余地は約17%で、1.811ドル付近が想定される。1.551ドルから1.811ドルまでの過程には、1.0フィボナッチである1.579ドルと、1.618フィボナッチエクステンションの1.723ドルが位置する。
一方で、下値のサポートは密集している。1.401ドル(0.236フィボナッチ)を維持すればカップ・アンド・ハンドルの形状は維持される。しかし1.401ドルを下回れば、次の主なサポートは1.345ドルとなる。1.345ドルを割り込むと、1.277ドルが長期的な下値支持帯。1.277ドルを明確に割り込むと、カップ・アンド・ハンドルのパターンは完全に無効となる。
結局のところ、レベルの判定は二者択一となる。1.551ドルを終値で突破すれば、1.81ドルへの上昇余地が開かれる。一方、1.278ドルで終値を下回れば、ブレイクアウトのシナリオは否定される。